慶應義塾大学 湘南キャンパス 秋山美紀研究室 Miki Akiyama Lab

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HOME > 2018年度 ライフストーリープロジェクト「年配者のライフストーリー〜健幸の語り」

年配者のライフストーリー〜健幸の語り

死ぬ時は死ぬの

語り手:S.Yさん

S.Yさん:死ぬ時は一人だからね...。

―寂しかったりとかないですか?

S.Yさん:しょうがないじゃない、世の中だから。私は物心ついた時から親も兄弟もなく育ってるからね、わりと平気。今は孫がいるからね、よくしてくれるし。それに自分の生活ができればそれでいいね。余計なものいらない。さよならする時は綺麗にスポンッてね。

―ちょっと聞いていいのか分からないんですけど、死ぬのが近づいているというのは...。

S.Yさん:経済的に困る、暮らしに困るっていうのは困るよね、贅沢しなくたってね...。

―すみません、ちょっと失礼なことを聞いてしまうかもしれないんですけど、やっぱりさっきは死ぬ時はスポンみたいなことを言っていたかもしれないけど、やっぱりちょっと怖かったりとかいうことはあるんですか...。

S.Yさん:あんまり考えないね、人間100まで200まで生きるわけじゃないから、あんまり苦しまないで死ねればいい。私実家医者なの、死ぬ人散々見てきたしね。旦那さんだっても長く生きてて欲しいけど具合悪くなって死ねばそりゃしょうがないもんね。やっぱり親も兄弟もなくて育ってるからね、あっさりしてるよ、私はいろんなことにくよくよしない。死ぬ時は死ぬの。人に迷惑をかけないで死にたいよ。私のうちね地主で医者なの、だからね死ぬ人もよく見てきたしね、だからね、なるようにしかならないね。

―自分がいつか死ぬ時に備えて準備をしていることとか。

S.Yさん:そんなこと考えないね、あんまり苦しまないで死にたいね

―それだけを考えている感じですか

S.Yさん:散々ね人の死ぬのも見てきたし、看護師でうちで病院やってたから人の死ぬのもみたし

―僕たちとか、このお話を見てくれる人たちにメッセージ伝えたいことはありますか

S.Yさん:別にないね、死ぬ時死ぬの。

―やっぱりなんかいつか、僕もよく考えるんですけど、死ぬのは怖いとか、いつか一人になっちゃうんじゃないかとか考えていて、結構最近みんなそういうこと考える人増えてると思うんですけど何かアドバイスみたいなのとかありますか?

S.Yさん:苦しまないで死にたいね、それだけだね、後のこと心配することないね、あるものあれば子供達が適当に分けるだろうしね、無ければそれまでだしね。隣も娘が死んじゃったけどね、よくしてくれるしね。息子は近くにいるから後始末は全部するだろうからあんまり関係ないね。だって死んだらそれまでだもん。

―じゃあ将来への不安とか抱えた時でも、起きたことを受け入ればとかそういう感じですよね

S.Yさん:私の父なんかね海軍の軍医だったの。でもやっぱり死ぬ時は誰でも死ぬもんね。なんとかやってるし。みんなそれぞれ自分の生活を守れば良いんじゃない。

―僕たちがこれから幸せに生きていくためには、自分の生活を大切にして守っていくということが大事なのですね。他に何かありますか?

S.Yさん:それぞれの生活をしっかりやればいいんじゃない。みんなそれぞれ違うんだからそれでいいと思う。

―分かりました、ありがとうございます。

S.Yさん:お役に立てないで

―いや、とてもためになりました。ありがとうございます。

S.Yさん:色々な人生だからね。2つか3つの頃に両親無くしておばあさん子なの。それでも結構幸せに暮らしてきたから。それはそれでいいってもんで、しょうがないもんね。

S.Yさん プロフィール

97歳で一人暮らしをしている。孫のJさん(大学院生)とJさんのお父様がS.Yさんの隣の家に住んでいる。
Jさんは、S.Yさんの家を地域の集いの場として、定期的に開放している。S.Yさんの娘(Jさんの母)は他界されている。

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